メロディックマイナースケールを使ったギターソロアプローチ
今回はメロディックマイナースケールを使ったギターソロのフレーズを紹介します。
TAB譜とともに数小節ごとに区切って解説していきます。
はじめに
題材となるのはこちらの動画の0:20〜0:30までの部分です。
TAB譜はこちらです。
余談ですがこの動画はFD Ibanez JAM Contest 2017というコンテストに応募した時のもので、ありがたいことにTOP20に入賞することができました。
こちらが結果発表の動画です。
僕の大好きなロシアのギタリストFeodor Dosumov氏が直接審査をしてくれたこともありなおさら喜びが大きかったです。
スケールの選択とアプローチについて
バッキングトラックのコード進行はG7+9(b5)×6小節、Db13×2小節の8小節でひとまとまりとなっています。
各コードにb5thや13th等テンションが含まれていますが、トラック自体はルート音(GやDb)を中心にしたギターの単音リフで構成されていたので、単純に前半6小節を「Gマイナー一発」、後半2小節を「Dbマイナー一発」と解釈し、怪しい雰囲気を出すためにそれぞれのメロディックマイナースケールを選択してみました。
Feodor Dosumov氏もこういったアプローチで怪しい雰囲気のソロを取るのが得意なので参考にした部分は多いです。
フレーズ解説1〜2小節目
2弦13フレットのチョーキングからGメロディックマイナーを駆け上がるフレーズです。
5弦13フレットはピッキングせずハンマリングのみで発音、続いて4弦12フレットと3弦11フレットは連続ダウンピッキングで弾いています。
2小節目最後は3弦17フレットでピッキングハーモニクスを鳴らしすぐにクリケット奏法で音を濁らせます。
アームを下から一瞬引っ張って離すような感覚ではじくと良いでしょう。
フレーズ解説3小節目
Gメロディックマイナーで高音弦側を横移動するフレーズです。
テクニック的には難しくないですが特にロック系ギタリストの方々には慣れない音の並びになっていると思います。
できればGのパワーコードやベースでGを鳴らしながら弾いて、スケールの醸し出す独特の雰囲気を確かめてください。
フレーズ解説4小節目
1弦から4弦まで下降していくフレーズです。
2拍目を例にとると普通はプリング等で2弦10フレット→8フレット→7フレット→3弦9フレットというように順番に下降していきますが、この部分はハンマリングを使い、単純な下降フレーズにならないように工夫しています。
文章で説明するより実際に弾いていただいたほうが理解しやすいと思います。
また3拍2音目の2弦7フレットの1音だけ右手の中指を使ってピッキングしています(譜面中「M」で表記されている部分です)。
ただこれは僕の癖なのでピックで弾いてもなんら問題はありません。
フレーズ解説5〜6小節目
ここのポイントは3小節目の1拍目と3拍目が休符から始まっているところです。
Feodor Dosumov氏も単純な16分弾きフレーズにならないように一瞬休符を入れるようなアプローチをしているのをよく耳にします。
フレーズ解説7〜8小節目
Dbメロディックマイナーによる上昇・下降フレーズです。
やはりなじみのない音の並びに慣れることと、連続アップ・ダウンピッキングをするカ所がありますので音が重ならないように気を付けましょう。
最後に
メロディックマイナースケールはロック系ではあまりなじみがなく、スケール表を見ながら上下に行ったり来たりというフレーズから脱却できない方もいらっしゃると思いますが、今回のアプローチがご自身の引き出しを増やす際の参考になればうれしいです。
ライタープロフィール
ギタリスト
木村洋平
1986年生まれ。
岩手県出身。
14歳からギターを始めアマチュアとしての活動を続けており、現在は本業と並行して作曲・レコーディングの仕事や、自身の楽曲制作・動画の投稿などの音楽活動を行っている。
誌面やネットを通した海外のギターコンテスト等での入賞実績もある。
YouTubeチャンネルの累計再生数は300万回以上。
2016年現在までに、ギターインストアルバムを4枚(CD&配信)リリースしている。
ヤングギター誌上コンテスト「ヌーノに挑戦!
Jamming with Nuno 2016」でグランプリを受賞。
ウェブサイト:http://yoppeguitar.jimdo.com
Twitter:yoppe0131
Facebook:poteto.yaochushi
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