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ギターアンプにキャスターがない理由をメーカーさんに聞いてみた
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ギターアンプにキャスターがない理由をメーカーさんに聞いてみた

ギターアンプやキャビネットって大きくて重いのに、なぜキャスター(車輪)がついていないタイプがあるのでしょうか?

今回はその疑問について迫ってみました。

ギターアンプキャビネット

通常、ギターアンプヘッドはスピーカーに繋いで鳴らすことになります。

その際に使用されるスピーカー部と、ボックス(箱部)を組み合わせたものを特にキャビネット(略称:キャビ)と呼びます。

キャビネットには、構造やスピーカー大きさ、出力などさまざまなタイプがあり、エレキギターの音色に直接関わる重要な機材です。

手軽に持ち運べるサイズではないので、ライブハウスや音楽スタジオの多くで常備され、練習などの際はそれらを使うことが一般的です。

キャスター付けられないタイプもある

ライブで使う機材は大きく重量があるため運びやすいように、キャスター(車輪)が付けられています。

しかし実はこのキャスター、一部の機種では付属していないことがあります。

例:Marshallのキャビネットや、Mesa/Boogieのキャビネットはキャスター付き

Marshall 1960A キャビネットMesa/Boogie 4×12 Recto® Standard Slant Guitar Cabinet Armorは、脱着式になっています。

3665_Marshall_1960A__05700_zoom

http://musicworkshop.com.au/hire/?portfolio=marshall-1960a-cabinet

4x12-Recto-std_sl_AR_rt

http://mesaboogie.jp/recto_cabs.html

例:イギリスの老舗アンプメーカー ORANGEのPPC412 4×12″の場合

ORANGE定番のキャビネットなのですが、大きさが74x77x36.5cm、重さ46.5Kgで、キャスターがついていません…(脱着式でもありません)。

決して運びやすいとはいえません…。

PPC412-CL_10967

http://moridaira.jp/archives/52113

例:ドイツを代表するギターアンプメーカー Hughes & Kettner TC 412 A60 CABINETの場合

最新のギターアンプヘッドTRIAMP MARK3用に開発された、キャビネットです。

大きさが75x76x36cmで、重さが41,3kg、こちらも同様にキャスターが取り付けられていません。

ちなみにHughes & KettnerのCC 412 SE CABINETは、同じ大きさですがキャスター付きです。

TC_412_A60_front

http://hughes-and-kettner.com/products/cabinets/tc-412-a60-cabinet/

キャスターがついてないのはなぜ?

どうしてキャスター(車輪)を付けないのでしょうか?

ORANGEの日本代理店モリダイラ楽器さんと、Hughes & Kettnerの日本代理店パール楽器さんに問い合わせしてみました。

両社とも「元々、キャスターを取り付けていないのには理由があります。それはスピーカーからの出力される『低音感』です。水平な床に設置されることで、低音のローエンドを稼ぐためです」とのことでした。

低音を出すためには、スピーカーを丈夫な床にしっかりと固定する必要があるのです。

よくよく考えてみると、ベースアンプもキャスターが付いていない仕様のものがほとんどです。

ロック系のギターアンプにキャスターなしが多い理由も、ジャンル的にヘビーな低音を必要とされるからでしょう。

キャスターはあとでも取り付けられる

頻繁に場所を変える必要がそれほどないとはいえ、転換や移動の際はキャスターがないと運びにくいですよね。

そこで、こんな台車もあります。

GA-100 GATOR ラックケース用キャスターボード

332_file1

http://www.kikutani.co.jp/index.php?mode=info&id=332&lv1_id=&lv2_id=&key=&page=1&order=&asc=&desc=

メーカーオプションが用意されていない場合、DIYが得意な人ならホームセンターで買ってきたキャスターを自分で取り付けるのもありです。

ライブハウスやスタジオに常備されているキャビネットには、そうやって取り付けられることも少なくありません。

最後に

脱着式(取り外しができる)のキャビネットもありますので、機会があればぜひ床への直置きにチャレンジしてみください。

迫力の重低音で他のバンドと差をつけられるかも!?

ただし、持ち運ぶ際には無理して腰を痛めないように気を付けてください!

ライタープロフィール

中尾きんや

スタジオラグ

中尾きんや

スタジオラグスタッフ

ウェブサイト:https://www.studiorag.com

Twitter:kin_kinya

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