エフェクターの接続順。ブースターとワウペダルの接続について
エフェクターの基本的な使い方をいろいろご紹介する「エフェクターの使い方講座」。
今回は、ブースターとワウペダルについてです。
まず、それぞれはどういうエフェクトなのかについて、軽くご説明させていただきます。
ブースターとは
当店の「歪み(ひずみ)系」ジャンルの中に「ブースター」という小ジャンルがあります。
ブースターは、構造上歪み系エフェクターに似たものが多いため、こうして歪み系の一部としてジャンル分けをしておりますが、多くのブースターは他の歪み系……オーバードライブやディストーションなどとは違い、ONにしても強い歪みが得られないものが多くあります。
その代わり、ブースターをONにすると、音量が大きく上がります。
ここでは、単純に「ブースター=音量を上げるエフェクター」として扱っていきます。
ワウペダルとは
ワウペダルとは、その名の通り、ギターサウンドをワウワウ言わせるペダルです。
フットペダル型をしており、そのペダルの踏み込み方によって音を変えることができます。
ブースターとワウペダル、この2種類のエフェクターは「他の歪み系と合わせたとき」にどう接続するかで迷われることがあるようですので、特にまとめてご紹介したいと思います。
ブースターと歪み系の接続
ブースターと歪み系、どちらを先に接続するのか。
ただ順番を変えただけですが、これで「ブースター」の役割が大きく変わります。
ここで、第1回でもご説明したエフェクターの接続に関する基本を思い出してみましょう。
エフェクターは基本的に「後に接続したエフェクトが強くかかる」ようになります。
ブースターは音量を上げるエフェクターです。
しかし、画像の上側のように、歪み系の前にブースターを接続した場合、後に接続されている「歪み系」で調整される音量が優先されるため「ブースターで音量を上げる」という効果を完全に発揮することはできなくなります。
では「この接続は間違いなのか」というとそんなことはありません。
ギターから出た音声信号の気分になって考えてみましょう。
ブースターがOFFになっている場合、ギターから出た音声信号は、歪み系エフェクターによって歪みが付加されます。
ブースターがONになっている場合、ギターから出た音声信号は、まずブースターで音量が上がった状態で、歪み系エフェクターに入力されてゆきます。
すると……(例外もありますが)歪み系エフェクターから出る「歪み」が、ブースターがOFFの時よりも強くなっています。
「ゲインが上がる」という言い方をするのですが、画像上側のように接続すると、ブースターで歪みのゲインを上げるという使い方ができます。
では、画像下側のように、歪み系の後につなぐとどうなるでしょうか。
エフェクターは、「後に接続したエフェクトが強く」かかります。
この場合、ブースターが後になりますので、歪み系エフェクターで作った音をそのまま、ブースターで「音量を上げる」という使い方ができます。
このように、エフェクターは接続順を入れ替えるだけでまったく違った効果となるものもあります。
ワウペダルと歪み系の接続
続いて、ワウペダルの場合を見てみましょう。
基本的な考え方はブースターの場合と同じで、「後に接続したエフェクトが強く」かかることを意識して、エフェクターをつないで行きます。
まず、画像上側のように、ワウペダルを歪み系の前に接続した場合です。
ワウペダルは、ギターサウンドをワウワウ言わせるエフェクターですが、歪み系が後に接続されているため、出力されるサウンドは、ギャウギャウ、ギャーギャーといった、荒々しいものになります。
また、この場合、ワウペダルのペダルを動かしたときになる「ワウ」という音の変化が弱まることもあります。
この場合、つないだ歪み系によっては、ワウペダルの効果がまったく効かなくなることもありますのでご注意ください。
画像下側のように、歪み系のあとにワウペダルを接続すると、後につないだワウの効果が強くかかりますので、画像上側のときよりもさらにワイルドな「ギャウギャウ」というサウンドを作ることができます。
音作りに迷ったとき、ちょっとエフェクターのつなぎ方を変えてみると、新しい世界が見えることがあるかもしれません。
ぜひ、いろいろトライしてみてください。
ライタープロフィール
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ナインボルト
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