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ギターサウンドを良くする!?あのエコープレックスサウンドを再現!CATALINBREAD BELLE EPOCH
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ギターサウンドを良くする!?あのエコープレックスサウンドを再現!CATALINBREAD BELLE EPOCH

テープエコー。

そのサウンドは暖かで柔らかく、まさに「アナログ」なトーンを代表する音として知られます。

真空管を使った初期のテープエコーとは違い、トランジスタ型のテープエコーはまだ扱いやすく、多くのアーティストもステージで使用しています。

名機EP-3を再現

CATALINBREAD BELLE EPOCH

特に有名なテープエコーといえば、エコープレックス。

それもEP-3というトランジスタ仕様のモデルの人気が高いです。

そのサウンドを細部までこだわって再現したのが、Catalinbread Belle Epoch(カタリンブレッド ベルエポック)なのです。

そのこだわりには並々ならぬものがあります。

Catalinbreadでは、EP-3のエッセンスを捉えたディレイペダルの開発するにあたり、まずEchoplexならではの特性を正確に、完全に理解することにしました。

そして、それは単にイコライジングでテープエコー風ディレイを作るだけでは到達できない領域にありました。

1. まず、EP-3はそれ自体がギターサウンドを良くすると言われています

それはエコーがオフの場合であってもです。

もちろん、Echoplexはトゥルーバイパスではありません。

ギターのドライシグナルは、エコーがONであろうとなかろうと、ディスクリートのシンプルなプリアンプとパッシブミキサーステージを通って出力されます。

ここで軽くブーストされ、同時に作られる音色をギタリストは好みました。

2. 残響の品質とディケイ

Echoplexにハイファイなサウンドは必要ありません。

エコーが繰り返されるにつれ、音はだんだんと減衰しつづけます。

ローエンドを失いながら、きらびやかでパーカッシブなトップエンドが得られ、同時に軽い歪みが加わります。

最初の反響は力強く、その後はだんだん拡散します。

そして、良くチューニングされた個体であれば「Echo Sustain」ノブの設定で、発振する前に永遠にリピートを続けることもできます。

3. 発振!

Echoplexはただのディレイにとどまらず、それはもはや楽器だったと言えるでしょう。

多くの有名なEchoplexプレイヤーは、Delayスライダーを使って得られる発振サウンドを音のレパートリーに加えていました。

実際、Echoplexにギターをつながず、Echo Sustainを自己発振の領域まで上げれば「Echo Delay」スライダーで音を操作できます。

これは、今までの多くの「テープエコーペダル」では味わえません。

同じような使い方をしても自己発振しないだけでなく、ディレイタイムノブを動かしても、何も起きません。

4. Echo Delayスライダーでテープヘッドがテープの上を動くときの音

リピートを多く設定し、Echo Delayスライダーを動かせば、テープヘッドが動いて新しい場所にセットされるまで、少しラグが発生します。

これは多くのペダルのディレイタイムノブで発生することはありません。

しかし、このラグもEchoplexならではの音なのです。

5. レコードレベル

これはEP-3がテープをどのくらい強くヒットするかをコントロールします。

このコントロールは、表向きはSN比の調整に使うものですが、実際は低く設定すれば軽く空間的なリピートが得られ、高く設定すればテープが強く飽和し、まるでグランジサウンドのようなリピートトーンが得られました。

6. ワウ・フラッター

当時の機械駆動によるほとんどのオーディオ機器が抱えていた問題であり、EP-3も例外ではありません。

狭いテープカートリッジ、安定しないモータースピード、バンピーなキャプスタンホイール、さらに他の機械的な要素が加わり、結果的にテープスピードが一定せず、エコーピッチが少し変動してしまいます。

ショートディレイでは、この効果がコーラスのような音を作り、ロングディレイでは、まるで別世界のようなピッチモジュレーションがギタートーンに付加されます。

ワウ・フラッターのタイプはそれぞれ個体やコンディションによって異なります。

さらに、同じ個体であっても日によって全く違うワウ・フラッターとなるのです。

ある日は小鳥のさえずりのようで、次の日はさらにドラマティックな効果となることもありました。

これはまさにランダムで、LFOのサインウェーブとは異なっています。

7. アウトプットステージのパッシブミキサー

EP-3は、ドライとウェットサウンドをシンプルなパッシブミキサーでミックスした後はバッファがかかりません。

これは高いアウトプットインピーダンスとなり、技術的には「良くない」ことです。

しかし、Echoplexをアンプにつなぐと、とても音楽的なダイナミクスが得られるのです。

8. ディレイタイムレンジ

Echoplexは最小で80ms程度のディレイタイムです。

これ以上短いディレイタイムは、テープのレコードヘッドがそれ以上近づかないので設定できません。

そして最大ディレイタイムは800ms程度です。

これは多くのギター用ディレイペダルが持っている最適なディレイタイムに近い値です。

さらに、EP-3プレイヤーのレコードで聞くことのできる有名なサウンドでは、Echo Delayスライダーを最大から最小まで動かし、まるで宇宙船を思わせる音やテルミンのソロのような音を出していることもあります。

この音を得るためには、このディレイタイムレンジでなければなりません。

CATALINBREAD BELLE EPOCH 概要

CATALINBREAD BELLE EPOCH

そして、完成したペダルはこうなりました。

ここまでこだわるからこそCatalinbreadなのです。


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