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【すごく役に立つ】ギタースケールを効率よく覚えるためのCAGEDシステム
最終更新:

【すごく役に立つ】ギタースケールを効率よく覚えるためのCAGEDシステム

どうやったらスケール運指を指板全域で把握できるんだろう……。

または、コードっていくつかのフォームで弾くことができるみたいだけど、どういう法則なの?

と考えたことはありませんか?

実はものすごく簡単なルールがあります。

なぜCAGEDシステムが必要なのか

ギターをある程度弾けるようになると、誰でも知っている5つのコードフォームを基礎に覚えるやり方で、CAGEDシステムと言います。

これにより基礎的なギターの指板の仕組みを理解できます。

  1. CAGED(ケイジド)のスペルにコードフォームは指板全域でつながっている
  2. コードフォームに沿ったスケール運指を覚える
  3. 最も大切なのは度数で覚える事

スケールとコードと切り離して考えてはいけない事が分かるでしょう。

CAGEDシステムでスケール運指が指板全域で弾けるようになる、これだけですごくうれしい事で結構楽しめます。

でも、それで終わって欲しくありません。

実は今回の記事(CAGEDシステム)は、ごく初歩の初歩、はじめの一歩にすぎません。

重要なのは、スケールとコードを一緒に学ぶ事です。

そしてその後はコードを深く学ぶ、それに尽きます。

1. CAGED(ケイジド)のスペルにコードフォームは指板全域でつながっている

上図はCメジャーのコードフォームがどのように指板全域で弾けるか?を表しています。

でもこれだと何が何だか分からないかもしれませんね。

初心者の不安感が邪魔をするからです。

コードネームとコードフォームを混同してませんか?

Cメジャーというと、いわゆるローコードのCフォームのみ、と勘違いしてませんか?

すべての基礎的なコードはCAGEDの5つのフォームを使って弾くことができます。

少し弾いていれば、Aフォームを使って3フレットからでもCメジャーが弾けるんだ、と経験から理解します。

それをずらせば他のコードネームになる事も。

例えば、半音ずらせばC#メジャー、全音ずらせばDメジャー、など。

または、Eフォームを8フレットまでずらせばCメジャーが弾ける、これらは経験から学び、日常的にしているかもしれません。

でも多くの人は、ハイコードと呼ぶものはEとAフォームに限定して覚えています。

それは間違いで、D・G・Cフォームにも同様にできます。

そしてCメジャーの場合、コードフォームはCAGEDのスペル通りにつながるという仕組みです。

下図はローコードのCはDにつながっている事を示すためにDから表示していますが、まずCの部分から見ることをおすすめします。

CAGED ギタースケール

他のコードの場合、

FならEフォームから始まるパターン、Bb=A、Eb=D、Ab=G、Db=Cでそれぞれ始めるわけです。

この理解があれば、カポを使う場合にも役立ちます。

キーを変えるためだけでなく、どのフォームのヴォイシングで弾きたいのか?によって選択できます。

特に二人でギターを弾く場合に違うフォームでアレンジしたいときに役立つでしょう。

今まで経験上、CのキーでGなら5カポとか覚えていたかもしれませんが、この仕組みを覚えればどのキーでも5通りのヴァリエーションが得られます。

CAGED ギタースケール

CAGEDシステムを深く理解すると、分からずに何となくやってきた事に確信を持てるようになります。

とりあえずここでコードフォームの連結についての説明を終わります。

ただし、もっと深く学ぶことをお勧めします。

こちらの記事では、ここでは書ききれないいろんな角度から解説しています。

次にスケール運指を説明します。

2. コードフォームに沿ったスケール運指を覚える

スケール運指は丸覚えしても意味がありません。

こういうのをいまだに見かけます。

CAGED ギタースケール

これの何がいけないのか?

それは肉体的動作のみだからです。

これは突き詰めるといかに簡単に速く弾くか?という覚え方です。

それが目的ならばそれでもいいかもしれません。

しかし自分が何を弾いているのか分からないままです。

つまりバックでどんなコードが鳴っているかどうかなど知る由もありません。

こういう覚え方をすると、将来また基礎に戻ってやり直すことになります。

僕がそうでした。

なぜなら各音にはそれぞれ意味があり、それもバックのコードに対して変わるものだからです。

つまり、コードフォームと関連付けする事が大切です。

早いうちからコードフォームとスケール音の重複する部分を確認するくせをつけながら練習すると、将来大きく差が出てきます。

まず大きな視野でコードフォームの連結を把握し、各フォームの中にスケール運指がどう組み込まれるかを見るのです。

CAGED ギタースケール

Cメジャースケールの運指だけだとこうなります。

これは度数(数字)で書いてあるだけまだましで、多くの場合上述のドットだけです。

これだと丸暗記するしかありませんね。

でもこうするとどうでしょう?

CAGED ギタースケール

スケールは7音ありますが、そのうちの3音はコードで弾いています。

ということは、コードフォームをベースにその他の音でつないでいく事ができます。

コードはスケールの1音飛ばし=ドミソ(つまりレ、ファが抜けている)なので、コードフォームの間の音を埋めれば良いと分かります。

実はこの理解は非常に大切なのです。

簡単なので気にも留めないかもしれませんが、それではいけません。

3. 最も大切なのは度数で覚える事

初心者であっても、将来のためにこの視点を持つべきです。

どの音を弾いているのか?

それは数字で表すことです。

ドレミファソラシドと覚えるのもいいのですが、それだとコードとの関連付けが面倒です。

ですから、上図にあるようにまずスケール音を1234567として覚えましょう。

それができたら、1357以外の246をそれぞれ9,11,13とも捉えられるようにしましょう。

スケールと違いコードは1357以外の音をエクステンションと捉えます。

ですので、奇数で1357(9,11,13)という順にたどります。

例えば、C13(b9)などのコードがあったとします。

数字をドレミファソラシドで言えば、13=ラ、9=レです。そしてレを半音下げてやればb9です。

この場合はCですからドレミファソラシドで分かりやすいものの、違うコードだとややこしくなります。

ですから最初から数字で統一した方がシンプルです。

概念的にも数字の方がドレミファソラシドよりもストレスが少ないです。

またそれぞれの音は機能があり、コードトーンである1357を同等に扱ってはいけません。

だから(メジャー)スケールを知っている、弾ける、という人にもいろんなレベルがあります。

  1. メジャースケールはドレミファソラシドだ、と知っている
  2. ローコードのCフォームのところで弾ける
  3. ペンタトニックの運指に2音足して弾ける
  4. CAGEDの5つのポジションで弾ける
  5. コードトーンとノンコードトーンと区別できる
  6. 度数を完全に把握しながら弾ける

レッスンをしていて、僕の知る限りではほとんどの人がよくても3どまりです。

そしてCAGEDシステムを教えると、すごく喜びます。

なぜなら指板全域でスケールが弾けるようになるからです。

そしてそれで終わる人が多く、非常に残念です。

スケールが肉体的に弾けるようになったところで、何もできません。

当てずっぽうにスケール運指を上下するだけです。

速く弾けるかどうかだけの演奏で、音の選択肢が乏しいのです。

それだけでなく、音を外す事もよくあります。

なぜならコードの3、4音以外の音をロングトーンやフレーズの最後の音として弾いてしまうと外れて聞こえるからです。

スケール運指しか知らない人の演奏は聞けば分かります。

とりあえず速弾きでごまかし、何となく落ち着く音を探している感じがするからです。

それはスケールを一本の線としか見えていない事の証拠です。

ただし、こういう話はまだ初心者の方にはピンとこないでしょう。

スピードに憧れる気持ちは十分理解できます。

ただ、スケールが速く弾けるようになった先には何があるのでしょう?

すべて団子に聞こえるだけです。

またリスナーも最初はぶっ飛ばされるかもしれませんが、いずれ耳が慣れます。

だから速弾きギタリストで飽きさせない(ギタリストでなく一般リスナーを)というのは、相当すごい事だと思います。

僕はそれよりも各音の意味を噛み締めて、各音を選択する能力に長けた方が賢明だと思いました。

野球で言えば、豪速球で攻めるより制球力で攻めるタイプです。

スピードはまずゆっくりから始めて徐々に速くする事で肉体が慣れていきます。

それも大切なのですが、耳を鍛える事の方が大切です。

ですからまずコードをじゃらんと弾いて、それからスケール運指の練習をしましょう。

単純に運指をたどる事ができたら、次はすべてブレイクダウンしましょう。

1音だけロングトーンで弾いてみて、どのようにコードに対して聞こえるかやってみましょう。

自分が弾いている音が、コードに対して何を弾いているのか?

落ち着いて聞こえるのか、遠く聞こえるのか、カラフルに感じるのか、違和感があるか、など、その主観を大切に育てていきましょう。

耳で響きを聞いて感じて、それが一体どの度数なのかを逐一確認する事です。

それは単なるスケール運指を肉体的に覚えるとは違う次元の練習となります。

スケール運指の練習だけではスケール音を塊として捉えてしまうからです。

いかにばらけて感じられるか、また肉体的にも必要な1音だけを抽出して弾けるか?というのも大切な練習です。

今回の記事に関連する動画がいくつかありますのでご覧ください。

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ライタープロフィール

HITOSHI KAWAI

ギタリスト

HITOSHI KAWAI

12歳でギターを始める。

19歳で渡米しカレッジで音楽を専攻、3年半住む。

21歳で個人レッスンを始める。

ブラジルで1年間、キリスト教宣教団体のバンドと共に旅をする。

オーストラリアで10年住み、ビジネスを経営する傍ら、約3年半ほど週末はギグ、月―金はギターを教える。

母の死去と同時に父の面倒を見るため帰国。

愛知県安城市に住み、ハローワークで英語とポルトガル語の通訳員をしながらブログで今までの経験をシェアしている。

キリスト教会礼拝奏楽者として毎週演奏、また指導している。

リアル、スカイプでレッスンを行っている。

予約制。

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