多彩なコーラス・サウンド。おすすめのギター用モジュレーション系コンパクトエフェクター BOSS CE-5
楽器から発せられる音を揺らすことで、音に広がりや奥行きを与える効果が得られるモジュレーション系エフェクター。
その代表格とも言えるのがコーラスです。
BOSSから世界初のコーラスペダルとして1976年に発表されたCE-1 Chorus Ensemble。
その美しいコーラス・サウンドはその後もマイナー・チェンジを繰り返して受け継がれてきました。
BOSSが初めて作り出したコーラスを継承したモデル
今回紹介するCE-5は、伝説の名機CE-1からChorus Ensembleの名称を受け継いだことから解るように、伝統的なコーラス・サウンドに加え、より多彩な音づくりを可能にしたモデルです。
1991年の発売以降、現在でも製品ラインナップに残り続けているCE-5は、BOSSサウンドの伝統のひとつと言っても過言ではないコーラス・サウンドのスタンダードとも呼べるエフェクターです。
それでは、CE-5 Chorus Ensembleについて、その仕様や特徴などを解説しましょう。
CE-5の大きな特徴は2バンド・フィルター
CE-5のコントロール・ツマミは
LEVEL:エフェクト音の音量調整に使用します。右に廻すとエフェクト音のレベルが大きくなり、左に廻すと小さくなります。
RATE:コーラス効果のスピード調整に使用します。右に廻すとスピードが速くなり、左に廻すと遅くなります。
DEPTH:コーラス効果の深さを調整します。右に廻すと深くなり、左に廻すと浅くなります。
FILTER:HIGHとLOWの2軸ツマミになっており、内側のツマミがHIGHで高音域の音質調整に使用します。
外側のツマミがLOWで低音域の音質調整に使用し、それぞれ右に廻し切った状態がフラット、左に廻すと音の帯域がカットされます。
2バンド・フィルターで多彩なサウンド作りを可能に
以上の4つで構成されますが、何といっても大きな特徴は2軸のツマミで調整する2バンド・フィルターでしょう。
CE-5はChorus Ensembleの名を受け継いでいるとおり、基本的な音はコーラス・サウンドの王道とも言えるものです。
そこに、この2バンド・フィルターの効果を加えることで、多彩なサウンド作りを可能にしているのです。
高音域を強調するセッティングでは、カラッとした爽やかな感じのコーラス効果が得られ、高音域を絞り、低音域を強調したセッティングにすると、まるでアナログ・コーラスのような太いコーラス・サウンドが得られます。
また、コーラス・エフェクターには一般的なRATEとDEPTHコントロールですが、それぞれの効きが良いこともCE-5の特徴です。
RATEツマミを右に廻すほど音が遅れて出ます。
これによってショート・ディレイのような効果を得ることが可能です。
DEPTHツマミも右に廻すほどコーラス効果が深くなり、フランジャーのような効果を生み出します。
これらのサウンドを効果的に使用すれば、ギタリスト次第で通常のコーラス効果以外にも面白いサウンドが作り出せるでしょう。
実はアナログ機が存在する
1991年の発表から現在まで実に20年以上もの間、BOSSの製品ラインナップにあり続けるCE-5ですが、実は初期の製品はアナログ仕様でした。
参考:伝統的なギターコーラス。おすすめのモジュレーション系コンパクトエフェクター BOSS CH-1
CE-1から受け継いできたコーラス・サウンドの要は、アナログ回路に搭載されていたBBD素子という半導体でしたが、現在でもこの回路を搭載した製品にこだわるギタリストもいます。
しかしながら、アナログからデジタルというある意味マイナー・チェンジと呼ぶにはふさわしくない程大きな仕様変更をしながら、サウンドに大きな変化を与えずに製品名もそのままという事実は、BOSSの技術力が高いことの証明でしょう。
同じCE-5で、初期のアナログ回路のものと現行のデジタル回路のものを比較する機会は少ないと思われますが、その違いを感じてみるのも面白いかもしれません。
スペック
電源 | 006P(1個)、ACアダプター(PSA-100) |
消費電流 | 18mA(DC9V) |
端子 | 入力、出力A(MONO)/B、ACアダプター |
入力インピーダンス | 1MΩ |
残留ノイズ | -93dBm以下(IHF-A) |
推奨負荷インピーダンス | 10kΩ以上 |
幅 (W) | 73 mm |
奥行き (D) | 129 mm |
高さ (H) | 59 mm |
質量 | 410 g |