パンチが効いた国産ハイゲインオーバードライブ。9overdrive9「Dest-Low改」レビュー
国産ハンドメイドエフェクターブランド「9overdrive9」からハイゲインオーバードライブとして制作されているペダル「Dest-Low改」をレビューします。
9overdrive9(ナインオーバードライブナイン) とは?
9overdrive9は、国産ハンドメイドエフェクターブランドで、本拠地は宮崎県にあるそうです。
ハンドメイドならではの品質と「外観」をオーダーできるのが最大の特徴で、同じペダルでも購入者によって外観が異なるということになります。
人と同じものでは満足できないという方には堪らないメーカーですね。
それぞれのモデルが、手元にある実機もかない個性的なカラーリングで、すごく神秘的です。
情報を知らなくてもハンドメイドっぽいなと思われるルックスで、とてもかっこいいです。
ちなみに、オーダーから購入までに21日以上かかるとのことなので(オーダーメイドとしては早いと個人的に思いますが)それも、こちらのブランドの人気さを物語っていると言えるのではないでしょうか。
Dest-Low改
ペダル本体の情報です。
コンセプトの「ハイゲインオーバードライブ」とは、ディストーションレベルの歪みを持ちながらも、あくまでサウンドはオーバードライブということだそうです。
さらに、帯域レンジのツマミや、原音ミックスのツマミを増設することによって、バンドサウンドの中での「音抜け」を意識した作りになっているそうです。
たしかにたんなるオーバードライブでありながらこのツマミの多さは際立ちますね。
音作りが難しそうな印象を受けましたが、実際の使い勝手はどうなのでしょうか。
検証していきたいと思います。
試奏の感想
とりあえずツマミフラット(12時)で試奏してみましたが、その時点でかなり歪んでくれる印象があります。
左が原音をミックスするツマミ、右が広域と低域のレンジを決めるツマミのようなので、こちらはゼロの状態にしました。
それでかなりスッキリした音になったので、レンジが狭まる方向に働いているのでしょうか。
これは、今までに経験したことがない音ですね。
一般的にオーバードライブと言われる音にとても近いのですが、歪みの量がやはり多いです。
ブースターを最初から使っている感じといえば感覚は近いと思います。
マーシャルアンプとジャズコーラス両方で試しましたが、個人的にはジャズコーラスのほうが好みで、サスティンが素直に出てくる印象です。
マーシャルアンプの前につなぐと、音の存在感はとてもあるのですが飽和感がすごく、個人的にはうるさく感じました。
それくらい音圧があります。
歪みの幅もとても広く、ゲインツマミを絞って使うこともできますが、同時においしい部分もカットされるように感じました。
あと、それぞれのツマミをいじっていて気づいたのですが、レンジのツマミを回すとノイズの出方がかなり変わり、ツマミの設定次第で歪み方もすこし変化している印象で、正直これは使いこなすのが少し難しいように感じました。
オススメセッティング
このペダルのオススメセッティングはとても悩みましたが、ハムバッキング+マーシャルアンプには歪みとトーンを抑えて、ミックスはゼロというセッティングが個人的には好みでした。
それでもかなりパンチのあるサウンドです。
「パワーコードをガツン!」といきたい方にはこのセッティングがおすすめです。
シングル+ジャズコーラスにはこちら
しっかり歪んでいて、音圧を出しつつ、コードの音程感を阻害しません。
このセッティングはこのペダルでしか出せないニュアンスでしょう!
レンジはバンドメンバーとの兼ね合いで、自由にセッティングしていくのが面白いのではないでしょうか。
スペック
- 寸法:94(W)×34(H)×120(D)m
- 電圧:9V(12V駆動で9V駆動時よりもさらにローを出すことが可能)
最後に
ハンドメイドクオリティの名に恥じず、歪みとしてとてもクオリティが高いので、総じて「良い音」であることは間違いないです。
その上で、コントロールに関しては少し慣れが必要で、状況に応じてプレイしながら試していくことでベストなセッティングができると思います。
「音質には妥協したくないが、それでも一風変わったオーバードライブが欲しい!」そんな方にぜひ手にしていただきたいペダルでした。
ライタープロフィール
アマチュアギタリスト
宮口広大
宮口広大/385 6&7th guitar/compose/加入バンド募集中
Twitter:switsh_radish